大阪市港区（みなとく）は、大阪市西部に開けている大阪湾に面した位置にあります。西区と隣接している北東部以外は河川、海に囲まれていて、島のような地域と言えます。港区の名の通り、西日本有数の港・大阪港（通称北港）が位置しており、港区は運輸と流通などの港湾施設や倉庫群が立ち並んでいます。古代より淀川の河口に位置しており、徐々に埋め立てが進められてきた地域ですが、大阪港の設置とともに、一代物流拠点として発展を遂げてきた地域です。

一方で港区は、海遊館（港区海岸通一丁目）や天保山マーケットプレース（港区海岸通一丁目）などのアミューズメントゾーンが人気です。前者は日本で最も大きな水族館となっており、巨大なジンベイザメが周遊しながら泳ぐことのできる世界一の回遊型水槽などが人気を集めています。それ以外にも、世にもめずらしい深海生物から可愛らしいペンギンやカピバラの姿まで、約６２０種３０，０００点の生き物達が訪れる人を出迎えてくれるので、日本各地から多くの観光客を呼び込んでいます。後者は大阪港周辺のパノラマ景色が一望できる「天保山大観覧車」などの施設が整えられていて、一代レジャー拠点となっています。

港区は、今後大きな進化を遂げることが期待されている地域です。大阪万博２０２５の開催をきっかけに、交通アクセスも整備されることになり、大阪市営地下鉄中央線が、現在終点のコスモスクエア駅から夢洲駅（此花区夢洲）まで延伸される予定になっているなど、鉄道を中心に交通網の整備が行われます。ＪＲゆめ咲線（＝ＪＲ桜島線）の夢洲までの延伸構想や、京阪中之島線が終点の中之島駅から大阪市営地下鉄中央線・九条駅と接続する新路線の構想も浮上しています。港区はこれらのルートの経由地として、交通アクセスの改善が大いに期待できる地域と言えます。

そんな港区ですが、河川の沿岸部を除いた内陸地は住宅地が広がっており、最も利用者の多いＪＲ大阪環状線・弁天町駅（大阪市港区波除三丁目）周辺は大規模店舗など商業施設が密集しており、人の集まりが多く、賑わいを見せている地域です。古代は淀川河口の低湿地帯でしたが、江戸時代末期から、地元商人らによって新田開発のために埋め立てが始まり、農地が開発されました。その広大な農地は、明治維新以降に諸外国との貿易が盛んになるにつれ、大阪港が開港し、物流拠点としてその用途を変えていきました。

大阪市港区の中古住宅は、１９８０年代以降に建てられた昭和後期の住宅をはじめとした核家族向けの物件が多く、多種多様です。間取りとしては２ＤＫや３ＤＫが一般的で、同様の間取りで作られたタワーマンションが主要駅の周辺に建てられており、大阪メトロ朝潮橋駅（大阪市港区田中３丁目）付近にはマンション群がそびえています。古い一戸建て住宅については、ここ数年でリノベーションされた物件も多く、モダンなデザインや最新の設備が整った住宅が増えています。

大阪市港区の中古住宅の価格は、２０２３年のデータによると、約３，０００万円から４，０００万円程度と幅広く分かれています。分譲マンションとなると約４，５００万円から５，０００万円程度が平均的です。ただし、具体的な価格は物件の条件によって大きく変わります。特に、駅からの距離や周辺環境が価格に大きく影響します。一方、少し駅から離れたエリアでは、比較的安価な物件を見つけることができます。

ちなみに、４０坪（約１３２㎡）の住宅用地の相場は、約４，５００万円から５，５００万円程度です。この価格帯は、エリアによって異なるため、具体的な場所によって変動します。住宅用地の価格は、特に人気のあるエリアでは高額になる傾向があります。ＪＲ大阪環状線弁天町駅（大阪市港区波除三丁目）や大阪メトロ朝潮橋駅（大阪市港区田中３丁目）の周辺には、比較的多くの住宅用地が分譲されていますが、２０坪から３０坪程度のやや小さめの宅地が多くなっています。

大阪市港区には、公立・私立あわせて３２か所の保育園があります。これらの施設は地域の子育てニーズに応じて多様なサービスを提供しています。公立保育園と私立保育園が多数存在していますが、いずれの施設においてもニーズに沿った保育が行われています。

２０２４年度の港区内保育園への入園希望倍率は１．２２倍となっており、大阪市内の中でも倍率が高い区となっています。特に３歳児から５歳児において、入園希望倍率が低下しているので、それらの年代に該当する児童の入所は比較的容易であると考えられます。ですが、今後入園希望者が増えることで、希望の保育園に入園できない可能性も出てくることは考慮すべきです。

大阪市港区は、子育て世帯を支援するためにさまざまな施策を実施しています。港区子ども・子育てプラザ（大阪市港区磯路２丁目）は子どもが楽しく遊べて、お父さんお母さんは子育て情報を聞くことが出来る施設です。館内は０歳から未就学のお子さんが楽しめる「つどいの広場」をはじめ、小学生から１８歳未満の児童や生徒が勉強したり、友人たちと遊んだりすることができます。また、併設されている子育て支援センターなどでは、親同士の交流や育児相談が行われ、子育てのためにさまざまな情報共有や専門家への相談を行うことができます。

大阪市港区における移住者支援としては、大阪府の制度である新婚・子育て世帯向け分譲住宅購入融資利子補給制度があります。この制度は新婚世帯（夫婦ともに満４０歳未満かつ婚姻届出後５年以内の世帯）または子育て世帯（小学校６年生以下の子どもがいる世帯）で、市内で住宅を民間金融機関などの融資を受けて初めて建築・取得したものが対象となり、住宅ローンに対して年０．５％以内（融資利率を上限とする）、最長５年間の利子補給を行ってくれる制度で、多くの利用者がいます。

また、民間戸建住宅等の耐震診断や改修等補助制度もあります。この制度は、２０００年５月３１日以前に建築された住宅であれば、耐震診断は費用の１０／１１、１戸上限５万円、耐震改修設計は費用の２／３、１戸上限１０万円、耐震改修工事は費用の１／２、１戸上限１００万円、耐震除却工事は費用の１／３、１戸上限５０万円など、様々な補助金の交付が受けられます。

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