大阪府岸和田市（きしわだし）は、大阪府南部に位置する人口約２０万人の自治体で、大阪湾を臨む阪南港を抱える工業と物流の盛んな都市の一面と、南部には和歌山県との件境に近い山間部と田園地帯、和泉山脈が連なっています。和泉山脈の中でも、ブナの天然林で知られる和泉葛城山は、トレッキング（山歩き）コースにもなっており、市内外から訪れる人が多い地域です。

このように、自然環境にも恵まれた岸和田市ですが、大阪市中心部へのアクセスが容易なことから、ベッドタウンとしての需要も高まっています。大阪市都心部と和歌山県を結ぶＪＲ阪和線・東岸和田駅（大阪府岸和田市土生町）や南海本線・岸和田駅（大阪府岸和田市宮本町）などの主要駅があり、主要駅からは路線バスである南海ウイングバスが頻発運行されているので、市内の移動が非常に便利な環境となっています。隣接する和泉市にまたがる阪和自動車道・岸和田和泉インター（大阪府和泉市唐国町）や高速道路を経由して関西国際空港にもアクセスが容易なので、交通の利便性が高い地域と言えます。これらの利便性もあって、岸和田市畑町二丁目、尾生町五丁目、磯上町一丁目などではマンションやアパートの建設が進み、新興住宅分譲地がどんどん誕生しています。

市内の中でも、南海本線・岸和田駅やＪＲ阪和線・東岸和田駅などの周辺には商業地が発展しています。特に南海本線・岸和田駅前には、岸和田駅前通商店街をはじめとする商店街が点在し、庶民の台所としてにぎわっています。岸和田駅前通商店街は、岸和田市の代名詞でもある「だんじり祭り」が行われ、まつりの期間には多くの観光客が集まります。岸和田のだんじりは、江戸時代の中期に始まったお祭りで、３００年以上の歴史と伝統を誇り、だんじりの曳行の際には、城下町特有の直角の交差点を一気に方向転換する「遣り回し（やりまわし）」が多くの観光客の目を引きつけます。また、ＪＲ阪和線・東岸和田駅周辺にも大型のショッピングセンターが立地し、近年は岸和田和泉インター近くにも大型商業施設が誕生するなど、市内外から多くの消費者が岸和田市に流入し続けています。

大阪府岸和田市の中古住宅は、１９６０年代以降に建てられた昭和風の住宅をはじめ、昭和６０年代に建てられた核家族向けの物件が多く、多種多様です。間取りとしては２ＤＫや３ＤＫが一般的で、同様の間取りで作られたタワーマンションが主要駅の周辺に建てられており、ＪＲ阪和線・東岸和田駅（大阪府岸和田市土生町）付近には令和の時代になって建設されているマンション群がそびえています。それ以外にも、市内に残っている古い一戸建て住宅が、ここ数年でリノベーションされた物件も多く存在しており、モダンなデザインや最新の設備が整った中古住宅が増えています。

大阪府岸和田市の中古住宅の価格は、２０２３年のデータによると、約２，５００万円から３，０００万円程度と幅広く分かれています。分譲マンションとなると約３，５００万円から４，０００万円程度が平均的です。ただし、具体的な価格は物件の条件によって大きく変わります。特に、駅からの距離や周辺環境が価格に大きく影響します。一方、少し駅から離れたエリアでは、比較的安価な物件を見つけることができます。

ちなみに、４０坪（約１３２㎡）の住宅用地の相場は、約３，５００万円から４，０００万円程度です。この価格帯は、エリアによって異なるため、具体的な場所によって変動します。住宅用地の価格は、特に人気のあるエリアでは高額になる傾向があります。泉北高速鉄道・和泉中央駅（大阪府岸和田市いぶき野５丁目）付近には、若干宅地が残っていますが、あまり広い宅地ではない物件も数多く見受けられます。

大阪府岸和田市には、公立・私立および認可外あわせて１０３か所の保育園があります。これらの施設は地域の子育てニーズに応じて多様なサービスを提供しています。公立保育園と私立保育園が多数存在していますが、いずれの施設においてもニーズに沿った保育が行われています。

２０２４年度の池田市内保育園への入園希望倍率は１倍を切っているので、大阪府内自治体の中でも倍率が低いエリアになっており、２０２４年度以降もこの状況が当面続くことが予想されています。今後も倍率が急激に高まることは予想されていないので、保育園に入園しやすい地域と言えるでしょう。ただし、移住者の増加などにより今後入園希望者がさらに増えることで、希望の保育園に入園できない可能性は残されています。

大阪府岸和田市、子育て世帯を支援するためにさまざまな施策を実施しています。市内には地域子育て支援センター（岸和田市下松町４丁目）があります。子育て支援センターでは、定期的な育児相談が行われ、子育てに必要な情報共有や専門家への相談を行うことができます。また、未就学児が自由に遊ぶことのできるキッズコーナーなども併設されています。

大阪府岸和田市における移住者支援としては、大阪府の制度である新婚・子育て世帯向け分譲住宅購入融資利子補給制度があります。この制度は新婚世帯（夫婦ともに満４０歳未満かつ婚姻届出後５年以内の世帯）または子育て世帯（小学校６年生以下の子どもがいる世帯）で、市内で住宅を民間金融機関などの融資を受けて初めて建築・取得したものが対象となり、住宅ローンに対して年０．５％以内（融資利率を上限とする）、最長５年間の利子補給を行ってくれる制度で、多くの利用者がいます。

また、民間戸建住宅等の耐震診断や改修等補助制度もあります。この制度は、２０００年５月３１日以前に建築された住宅であれば、耐震診断は費用の１０／１１、１戸上限５万円、耐震改修設計は費用の２／３、１戸上限１０万円、耐震改修工事は費用の１／２、１戸上限１００万円、耐震除却工事は費用の１／３、１戸上限５０万円など、様々な補助金の交付が受けられます。

その他、国の交付金を活用した事業として出産・子育て応援給付金の支給も行われています。この制度では、新生児１人あたり計１０万円分の現金もしくはクーポンなどの支給を相談支援と合わせて行っており、岸和田市の窓口に妊娠届を提出した時、出生届の提出した時に、それぞれ５万円分の現金や市内で使えるクーポンが支給されます。

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