大阪府茨木市（いばらきし）は、大阪府北部に位置する人口約２７万人の都市で、市北部は丹波高原に属する産地があり、市南部には大阪平野の一部である三島平野が広がっています。これらの平野部には、工業地や商業地、住宅地などが立地しており、大阪京都のベットタウン的な都市となっています。ＪＲ京都線や阪急京都線が市の南北を貫いており、大阪、京都への交通の便が良いことなどから人口が増加し続けています。

市内の交通中心地は、ＪＲ京都線・茨木駅（大阪府茨木市駅前一丁目）と阪急京都線・茨木市駅（大阪府茨木市永代町）にあります。それぞれの駅ビルには商業施設が連なり、一大商業施設として発展を続けています。これらの駅を起点として阪急バス・近鉄バス・京阪バスの路線バスが運行されており、それぞれの駅からは関西国際空港行のリムジンバスも発着しています。また、名神高速道路茨木ＩＣに併設されている名神茨木バス停からは高速バスに乗車可能で、東京方面や広島・福岡方面への移動も容易です。

茨木市は日本でも有数の古墳群地帯であり、古墳時代の初期から末期までの各時代の古墳が数多く現存しており、歴史の香りも高い街となっています。市内には弥生時代に銅鐸を数多く生産していた工房跡も発掘されており、井原市岸の地域が平安京と商業地・大坂を結ぶ重要な位置づけであったことがうかがえます。平安時代には、市の中央部を東西に走る西国街道を中心に発展し、室町時代の後半には茨木城が築かれ、この地域の繁栄の基礎となりました。江戸時代になると、参勤交代の際、主に西国の大名たちによって、この地の宿が本陣として利用されるようになり、茨木市は京都と大坂、丹波と大坂の交通の要として発展しました。

茨木市は名神高速道路の開通により、工業地が増加してからは、化学工業や金属製品、プラスチック製品などの製造企業が多く立地するようになりました。特に、名神高速道路茨木インターチェンジ周辺や国道１７１号沿道などが工業流通施設の集積地となっており、平成期に誕生した「彩都ライフサイエンスパーク」では、バイオや医薬、食品、ヘルスケアなど様々な分野の製造機能・研究開発機能を持つ機関が立地するなど、茨木市の産業を支えています。

茨木市の特徴としては、古くから存在する商店街「茨木阪急本通商店街」や「茨木心斎橋商店街」が活発に活動していることともあります。中でも、茨木阪急本通商店街は６０近くの店舗が集積する地元密着型の商店街として有名で、地元民以外にも多くの人々が買い物に訪れます。特に近年では、茨木市北春日丘一丁目、真砂一丁目、蔵垣内一丁目を中心に高層マンションなども多く建てられており、県立高校などの高等教育機関が多いことから、文教地区としても発展を続けています。

大阪府茨木市の中古住宅は、１９７０年代の高度経済成長期にベッドタウンが開発され、多くの住宅が建築されました。それらの住宅は昭和６０年代に建てられた核家族向けの物件が多く、多種多様です。間取りとしては２ＤＫや３ＤＫが一般的で、同様の間取りで作られたタワーマンションが主要駅の周辺に建てられており、ＪＲ京都線・茨木駅（大阪府茨木市駅前一丁目）と阪急京都線・茨木市駅（大阪府茨木市永代町）周辺には、令和の時代になって建設されているマンション群がそびえています。古い一戸建て住宅については、ここ数年でリノベーションされた物件も多く、モダンなデザインや最新の設備が整った住宅が増えています。

大阪府茨木市の中古住宅の価格は、２０２３年のデータによると、約３，５００万円から４，０００万円程度と幅広く分かれています。分譲マンションとなると約４，０００万円から４，５００万円程度が平均的です。ただし、具体的な価格は物件の条件によって大きく変わります。特に、駅からの距離や周辺環境が価格に大きく影響します。一方、少し駅から離れたエリアでは、比較的安価な物件を見つけることができます。ちなみに、４０坪（約１３２㎡）の住宅用地の相場は、約２，０００万円から２，５００万円程度です。この価格帯は、エリアによって異なるため、具体的な場所によって変動します。

大阪府茨木市には、公立・私立あわせて１１９か所の保育園があります。これらの施設は地域の子育てニーズに応じて多様なサービスを提供しています。公立保育園と私立保育園が多数存在していますが、いずれの施設においてもニーズに沿った保育が行われています。

２０２４年度の実績によると、茨木市の保育需要は基本的にバランスが取れている状況で、定員に対する入所希望者数を数値的に考慮しても、待機児童が存在する状況ではありません。ただ、特定の保育園への入園を希望する場合、その地域の状況によっては希望する保育園に入所することができない場合も出てきます。入園を検討する際にはその点も考慮すべきでしょう。

大阪府茨木市は、子育て世帯を支援するためにさまざまな施策を実施しています。複合施設「おにくる」内に移設された市立子育て支援センター（大阪府茨木市駅前三丁目）では、子育て中の親を対象とした育児相談や育児教室が行われており、子育てに必要な情報共有や専門家への相談を行うことができます。

大阪府茨木市における移住者支援としては、大阪府の制度である新婚・子育て世帯向け分譲住宅購入融資利子補給制度があります。この制度は新婚世帯（夫婦ともに満４０歳未満かつ婚姻届出後５年以内の世帯）または子育て世帯（小学校６年生以下の子どもがいる世帯）で、市内で住宅を民間金融機関などの融資を受けて初めて建築・取得したものが対象となり、住宅ローンに対して年０．５％以内（融資利率を上限とする）、最長５年間の利子補給を行ってくれる制度で、多くの利用者がいます。

また、民間戸建住宅等の耐震診断や改修等補助制度もあります。この制度は、２０００年５月３１日以前に建築された住宅であれば、耐震診断は費用の１０／１１、１戸上限５万円、耐震改修設計は費用の２／３、１戸上限１０万円、耐震改修工事は費用の１／２、１戸上限１００万円、耐震除却工事は費用の１／３、１戸上限５０万円など、様々な補助金の交付が受けられます。

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