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都会で暮らしている人の中には「都会の喧噪から逃れて田舎暮らしをしたい」と思ったことのある方も、少なくないのではないでしょうか。実際、令和の世の中になって、若い世代が田舎へ移住することに対してかなり関心を持っており、さまざまな自治体の説明会に参加したり、思い切って田舎へ移住したりする方も増えています。しかし、その後のことについてあまり考えずに田舎へ移住したり、考えていたことよりも予想以上に負担を強いられたりしたことで、予想と大きく異なる環境に後悔し、再び都会に戻ってしまうケースもしばしば見受けられるようになりました。今回は、そんな田舎暮らしで陥りやすい失敗や事前に確認しておくべき事項についてご紹介します。
都会から田舎への移住者が多い理由
2022年にあるリサーチ会社が行ったアンケートによると、移住経験者に「移住をしてよかったと思われますか」と尋ねた結果、「よかった」「とてもよかった」と答えた人は回答者全体の7割を占め、残り3割は「どちらともいえない」「よくなかった」という回答が占める結果になりました。7割の人は満足していると考えていいのでしょうが、この7割の人たちが何に満足しているのかを、ピックアップしてご紹介します。
子育て環境が充実している
若い世代が田舎に移住することの背景にあるのが、地方自治体による移住者への手厚い支援制度です。人口減に悩む地方自死体では、近年になって人口の増加や地域活性化を促すために移住者への助成金や補助金手当を充実させている自治体が多く、こういった制度に魅了されて移住する方も多いです。あわせて子育て支援事業などで独自の支援を行っている自治体も多く、保育料や給食費、医療費が無料になるなどさまざまな制度を打ち出していることから、とりわけ子育て世代でもある30代以下の若者世帯が移住するケースが増加しています。
テレワーク環境が整備された
田舎は都会に比べ人口も少ないため、求人数も少なくなっていますが、それが今までの移住のネックになっていたのです。田舎に移住したくても、自分の希望職種がない場合が多く、田舎に移り住んでからなかなか職が決まりそうにないことで、田舎への移住を断念する人が多かったのです。ですが、コロナ禍を契機として「リモートワーク」「テレワーク」と言う新しい働き方が生まれたことによって、完全在宅勤務の会社も増えているため、都会の企業に就職をしつつも、田舎に住むことができるようになりました。その他、移住者を呼び込むために企業を誘致したり「ランサーズ」「クラウドワークス」などWebアウトソーシングなどの環境を整備したりする自治体も増えており、今後もその動きは続くものと思われます。
安価で住居などが手に入る
自治体が抱えている諸問題として「空き家対策」があります。後継ぎが都会に出てしまい、誰にも管理されなくなった空き家が犯罪の温床になったり、倒壊して周辺の住環境を悪化させたり場合があるからです。このような空き家を活用する目的で、移住者のために無料で貸し出したり、安価で販売する「空き家バンク」の取り組みが積極的に行われています。移住者視点で見れば、住居を安価で手に入れることができるのは、大きなメリットになります。
先輩移住者のフォローが受けやすくなった
都心から地方に移住する際、自治体が移住相談窓口を設けたり、都会において移住セミナー開いたりする場合も増えており、昔に比べて「移住」に対するハードルが下がっています。そのため「先輩移住者」がたくさん存在している地域もあり、それらの自治体では「先輩移住者による相談制度」も設けられています。岡山県南東部の和気町では、先輩移住者が後輩移住者のメンターとしてマッチングされる制度があり、移住者からの相談に乗ったり、在来居住者との交流の機会を設けたりするなど、地域になじみやすい環境の整備が行われています。
都会から田舎への移住者が直面する困難とは?
ここまでは移住の「いいところ」を紹介してきましたが、この章では移住者が直面する困難についてご紹介します。移住イコールバラ色の人生とはならないことも、ぜひ認識して欲しいと思います。
住民間との付き合い
田舎は近所づきあいも多く、人々のコミュニティが閉鎖的な地域であった場合「うまく馴染めない」といった対人トラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。特に人付き合いが苦手な方は、プライベートに干渉してくる田舎での暮らしを負担に感じてしまうこともあるかもしれません。このコミュニティと言うものは、考え方を変えると、近所で野菜を分け合ったり、地域独自のイベントに参加できたりとプラスになることもあるのですが、過干渉な部分があることも事実なので、地域のイベントの多さや、町内会活動の度合いなどを確認しておく方がいいでしょう。
町内会や消防団などへの強制加入
都会では考えられないことですが、町内会はまず全戸加入であるところが多く、一定の年齢に達した成人男性は消防団に、女性は婦人会にと、さまざまな地域の役割を背負わされることがあります。事情が会って断ろうとする人も多いのですが「みんなやってきたことだから」と、家の事情も考えずに強制的に役員にされてしまう事例もあるようです。夫婦で幼い子供を育てているのに、夫は毎晩消防団の訓練に駆り出され、家事も育児もすべて奥さんの負担となってしまった結果、田舎から都会に戻るのはもちろん、夫婦が離婚してしまう事例も実際にあるようです。
想像以上の気候の変化
地域にもよりますが、気候や自然環境も都会と大きく異なる場合があります。突然の大雪や気温の変化が厳しいため、体調を悪化させる人もいるでしょう。また、生活必需品を揃えるためのお店も少なかったり、医療機関など生活に欠かせない施設が少なかったりする地域もあるので、今まで利便性を享受してきた方にとっては、住みづらさを実感することになるかもしれません。特に、老後の余生を過ごしたいと田舎への移住をお考えの方は、医療機関の有無は重要な要素となるので、必ず確認しておきましょう。
収入の減少
田舎では、家賃や食材などが都会よりも安いため、生活費を抑えることが出来ることは事実です。しかし、生活費を抑えられる反面、収入も減る傾向にあります。もともと田舎は都会よりも求人が少ないので、限られた職の中から選ぶしかありませんし、求人が少ない分、雇用する側も賃金を抑制しても「どうせうちに来るしかないのだ」と、買い手市場になってしまうこともあり、移住前と同じ収入は期待できないと考えてください。
さらに、田舎特有の出費として、自動車の維持費があります。田舎では車移動が必須なので、夫婦でも一人一台車を所有している必要がありますし、自動車の購入費用だけでなくガソリン代、車検や自動車税、消耗する部品代やダイヤ代など、多くの維持費もかかるため、収入が減っても支出が増えるという悪循環に至ることもあります。
子どもの将来に関する課題
子どもの教育において、義務教育までの年齢ならいいのですが、高校や大学への進学を考えると、田舎にはそもそも高校がありません。あったとしても毎日送迎を要する場合や、下宿して通う場合もあるなど、さまざまな困難が待ち構えています。また、塾なども子どもが少ない分もともと存在しないので、習い事や塾などは自分の力でなんとかしなくてはなりません。行き届いた教育を求めるならば、正直言って田舎はお勧めできません。
田舎に移住した時の心構えとは?
移住をする場合、事前のリサーチが非常に重要です。その地域の気候や風習はもちろん、地域のコミュニティがどのように構成され、どの程度の活動をしているのかをしっかりと把握することです。自治体も「お試し移住」などと称して、数日滞在できるサービスを提供していますが、数日気候のいい時期に過ごしただけで、田舎のメリットとデメリットがすぐに理解できるわけなどありません。さまざまな季節の気候、例えば夏の暑さや冬の寒さなどは、それぞれの季節に現地に行って、実際に体感しておくぐらいの方がちょうどいいです。
また田舎は、地域の行事が盛んな場所も多くあります。お祭りや集会が頻繁にあり、顔を出さないと「付き合いが悪い」などと指をさされるようなこともあるので、イベントの楽しさばかりに見とれるのではなく、そのイベントに担い手はどんな人で、どの程度労力を伴うのかを確認しておく必要もあります。来年はそのイベントの責任者を、自分が引き受けさせられる可能性もあるのですから。
都会から田舎への移住は難しい?調べておくべきことは?まとめ
都心部から地方へ移住すると、自然を身近に感じられ、生活が豊かになったという声が多いのは事実です。また、満員電車や人ごみ、コロナ渦でのストレスが軽減されるということも大きなメリットになったようで、精神的な安定感を満喫できるなら、少々の不便さや気候の厳しさは我慢できる、むしろそれが心地よいと考える移住者も多いようです。
7割の人が地方移住に満足する一方で、「よくなかった」と後悔する人がいるのも事実です。さまざまな夢や希望を持って地方移住をしたが、実際には遊ぶ場所がなかったり、歩いて行ける距離に病院や店舗がなかったりするなどの不便さが予想以上で、暮らしてみて不自由さに耐えられなかったと言う人も中には存在します。また、地域コミュニティの濃密さが都会とは異なる面が多く、町内会の行事への参加、地域の神社などの掃除、PTAや婦人会・消防団の活動など、地域コミュニティでの役割が強制的に与えられることなど、プライバシーとプライベートを失うことに耐えられなくなった人も存在します。
移住については、人生を左右する出来事であることは間違いありません。悔いのない決断をするためにも、時間をかけてしっかりと調べて、実感したうえで、悔いのない決断ができるだけの情報をしっかりと入手して欲しいと思います。
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