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昨今、キャンプブームとともに山林を購入する方が増えました。タレントのヒロシさんやバイきんぐの西村さんがキャンプのために山林を購入していることはみなさんもご存じかもしれませんが、自分の山を持つということはとてもロマンのあることではありつつも、いいことばかりではありません。そもそも山林は、管理費や固定資産税などのランニングコストがかかることはもちろんですが、豪雨などの影響を受けて土砂崩れなどの被害が生じることもあるのです。管理があまりにも面倒なので、山林を手放したいと思っても、売却できないことが多く、手放すために苦労されている方も多いようです。今回は、山林を所有することのメリットやデメリットについて詳しく解説します。
山林を持つことを忌避する傾向が強まっている
すでに自身が所有している山林は、基本的に所有権を放棄することができません。ただし、本来の所有者が亡くなったときなど、山林を相続することとなった場合に相続放棄すれば、所有権を放棄することができます。あくまで「放棄」であり、売却ではないことに注意が必要です。もちろん一度相続してから、山林の買い取りを希望する個人や業者へ売却することもできますが、必ずしも買い手がつくとは限らないのです。また山林は山全体ではなく、一部の区画のみを所有しているケースも多く、境界があいまいになっているばあいもあることから、なかなか土地の媒介に至らないケースも多いのです。法律的に放棄できないうえ、買い手がつかないともなれば、どうしても不要な山林を処分するには、相続放棄を行うほかないのが実情です。ちなみに、相続放棄された山林は国庫に帰属(=国の持ち物になる)するため、納税や管理の義務からは開放されます。
山林を持つことのメリット
山林=悪、と言うイメージばかりが先行してしまいますが、実際にはそれだけではありません。自然の中で暮らしたい人にとってはまさに桃源郷であり、自然の恵みをいただきながら暮らす喜びを満喫できるメリットだってあります。その他、これからご紹介するメリットについてぜひ参考にしてください。
マツタケなど自然の恵みを得られる
マツタケ、タケノコなどさまざまな自然の恵みが得られるのは、山林あってのことです。とは言いつつも、マツタケについてはなかなか生えてくる山が少なくなっているのも実情です。山林にはほかにもワラビやゼンマイなど、季節の旬を代表する食べ物が生息しているので、これらを満喫したい人にとって山林はまさに「宝の山」と言えるのではないでしょうか。
竹や薪など自然素材が手に入る
山林を所有すると、森林を涵養(=守り育てる)事業に対して、国や自治体から補助金を受けられる場合があります。例えば京都府の場合、拡大造林や再造林といった人工造林、雪起こしや下刈りなどの保育施業を行うと、その作業量や作業面積によって補助金がもらえます。いわゆる「林業」と呼べるレベルでなくてもいいので、森林を保護するための取り組みを行った場合、何らかの公的支援が受けられる場合があるのです。その他、薪や竹を使って工作をしたり、燃料として使用するなど自然素材を活用することも可能です。
電線等の占有料が定期的に入る場合もある
山林の中を、JRや電力会社が設置した電柱や送電線が通過することがありますが、その場合には「占有料」として、通過している面積等によって一定の収入を得られることがあります。
太陽光発電事業の用地として売却の見込みがある
山林は固定資産評価額が比較的低いため、固定資産税が安く済み、相続税も他の不動産に比べて低く済むケースが多いです。土地自体のランニングコストが少なくて済むことから、自治体や業者に貸し出したりすることで利益を上げることも可能です。特に最近は、太陽光発電パネルの設置場所として土地を貸し出すことで利益をあげている人も多いです。
キャンプなど趣味の場所として活用できる
自分の時間をゆったりと過ごす場所として、キャンプのできる山林を購入する人が徐々に増えています。山林を購入することで、誰にも気兼ねなくキャンプなどの趣味に興じることのできる場所を手に入れることができ、休日に自分の世界を楽しみリフレッシュできるメリットは、キャンパーにはかけがえのないものではないでしょうか。キャンプだけでなく、登山や山菜狩りなど、自然を活用した趣味を持っている人には、山林の購入は一番やってみたいことなのではないでしょうか。
山林を持つことのデメリット
では、ここからは山林を持つことのデメリットについても触れておきます。これを上回るメリットを感じているならば、ぜひとも山林の購入にチャレンジしてほしいとは思います。
樹木の管理が面倒
所有している山林に生えている樹木が、周辺の住民に悪影響を与えた場合、当然土地の持ち主がその責任を負うことになります。例えば、台風などの強風で倒壊した樹木が隣家を破壊するなどの状態になると、山林の所有者の責任が問われます。また山林は、無断で建物を建てたり、無断で木を伐採したりすることができない場合もあります。例えば趣味のログハウスを建てたり、そのために木を伐採したりした場合、その山林の法的な指定によっては法律違反になります。ちなみに、山林で建物を建てる際には、地目を「山林」から「宅地」に変更しなければなりません。また、自治体から建築物の建築許可も得なければならないことも忘れてはいけません。もしその山林が保安林であれば、その山林はそのまま保持しておくことが必要なため、勝手に木々の伐採をしてはなりませんので注意が必要です。
土砂崩れなどのリスクへの備えが必要
自然災害により、土砂崩れにあったり、樹木が倒れたりするリスクがあります。また、山林に生息しているシカやイノシシの獣害対策も考慮しなければなりません。シカやイノシシの場合、その獣害にあったことで損害賠償を請求されることはありませんが、シカやイノシシの生息地を無くして欲しいなど、住民からの要求に対応する義務は生じるので留意が必要です。
不法投棄などの被害に遭いやすい
山林の多くは、目視による明確な境界がわかりづらく、第三者に不法侵入されるケースがあります。特に山菜取りをする人が誤って侵入してくることも多く、管理を行う側としては、看板等を設置して、自分の土地であることを主張した方が良いかもしれません。また、家電やタイヤなどの不法投棄が行われる場合もあるので、場合によっては監視カメラなどの設置により、不法投棄を防ぐ必要があるかもしれません。
不動産としての価値が無く買い手がつかない
山林の価格は、立地場所などの条件によっても異なります。都市部近くであれば1,000〜5,000円/㎡、農村近くであれば100~1,000円/㎡が相場と言われています。山奥であればこれがもっと安価になり、100円未満/㎡なので、1haの広さを50万円前後で売買することになります。買う側としてはラッキーに思うかもしれませんが、売る側にとっては利益を見込めることはほぼありません。ただ、山林の管理から解放されることだけがメリットになります。そもそも山林は他の物件と比べ収益性が低く、住宅のように多くの人が探し求めるものでもありませんし、売却先が見つかったとしても、山林に特別な価値が期待できない限り、安値になってしまうケースが多いです。自分が売りたいと思った時に、すぐに売れるような物件ではないことは十分理解しておきましょう。
山林を所有することのメリットやデメリットについて考えようまとめ
相続などで山林を保有している人のなかには、「売りたくても売れない」と悩んでいる人も多いです。やはり山林は「売れない、売りにくい」というイメージが定着しているからです。そんなイメージがこびりついていることもあり、山林が不動産市場に出てくることはほぼなく、そのこともあって山林のオーナーにまで「売却が可能である」認識が持たれていないのも事実です。そもそも不動産市場におけるシェアが極端に小さいために山林を取り扱う不動産会社が少なく、山林を売りに出すチャンスすら得られない実情もあるようです。
そもそも山林は、農地とは異なって、普通の土地を売るのに同じような手続きで売ることができるのです。ですが、需要が少ないので売却価格が安くなってしまう可能性が高いことと、土地部分とは別に、立木(=
収益を発生させると見込まれる樹木)に所得税がかかる点に注意が必要です。実際に山林に関するアクションを起こすなら、山林売買が得意な不動産会社に依頼することが重要と心得ましょう。
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