田舎の古民家を現代風にリフォームするには?そのポイントは?
茅葺の屋根、トタンの屋根、田舎にありそうな「古民家」には、多くの魅力が集まっています。そのこともあり、あえて古民家を買い取って居住したり、工房やカフェとして活用したりする人も増えています。いわば「古民家ブーム」ともいえる今の時代ですが、古民家だからと言って「使いづらい」「住みづらい」と言うわけではありません。むしろ、快適さとデザインを両立して暮らすことのできる「理想の物件」に生まれ変わらせることだって可能なのです。今回はそんな「田舎の古民家」について、現代風にリフォームする方法やポイントについてご紹介します。
日本の古民家の魅力
日本の古民家は、その美しい伝統的な建築様式と、自然との調和を追求した生活様式が魅力とされています。もともと古民家には、日本の伝統的な建築技術が生かされています。木材を主体とした素材感のある建築は、自然と調和し、温かみのある空間を作り出します。また、独特の屋根形状や、床の間、土間など、日本特有の空間設計が随所に見られます。そして古民家は、日本ならではの「四季折々の自然環境」と共生ができることを重視して作られています。例えば、広い縁側からは庭を楽しむことができ、季節感を感じながら過ごすことができます。また、自然の風を取り入れるための風除けや、夏を涼しく過ごすための土間など、自然の恵みを最大限に活かした設計がなされています。
なにより古民家は、地域の気候や風土に合わせた設計がなされており、エコロジーに配慮した生活を実現します。自然素材を利用した建築は、環境負荷が低く、また、自然の風や日差しを上手に利用することで、省エネルギーにも寄与します。別の言い方をすれば、古民家にはその地域の歴史や文化が息づいているとも言えます。それぞれの家が持つ独自の建築様式や内装は、その地域の風土や生活様式を映し出しており、それを守り続けることは文化的な価値を継承することにもつながります。これらのこともあり、令和の時代になってからは、古民家の再利用やリノベーションに注目が集まっています。
日本の古民家の特性(造り、素材、間取りなど)
前述したように、日本の古民家はその構造、素材、間取りのすべてにおいて、自然との調和と人々の生活を重視した特性が見られます。その結果、美しく、機能的で、持続可能な住まいが形成されていると言えます。具体的には、次に掲げる部分の特性が特徴的です。
構造
日本の古民家の構造は、主に木造で、伝統的な工法が用いられています。一般的には、柱と梁を組み合わせて骨組みを作り、そこに壁や屋根を取り付ける「枠組み構造」が採用されています。また、地震に強い「合掌造り」や、「掘りごたつ」がある「土間」なども特徴的です。雪の重みにも耐える構造は、現在の住宅に無い強さを持つことから、あえて日本の古民家を購入したいと考える人も増えています。
素材・材質
日本の古民家では、自然素材が主に用いられています。建材としては、柱や梁には木材が、壁には土壁や紙、屋根には瓦や茅(かや)が使用されることが多いです。また、畳や襖(ふすま)、障子などの内装にも、竹や和紙などの自然素材が豊かに使われています。そのため、化学物質にアレルギーがある人たちが、日本の古民家を購入して、ストレスフリーな生活をしたいと考える人も多いようです。
間取り
古民家の間取りは、生活様式や風土に密接に関連しています。一般的に、中心に「広間」や「土間」を配置し、その周囲に部屋を配する「中心集成型」の間取りが採用されています。また、「縁側」があり、家の内外を自由に行き来できるようになっているのも特徴的です。部屋の区切りは、移動可能な襖や障子によって柔軟に変えられるため、生活のさまざまなシーンに対応できるのも魅力の一つです。その他、複数の部屋があるため、ライフスタイルの変化に応じて部屋の使用方法を変化させることができるのも魅力の1つと言えます。
日本の古民家の特性を活かすリフォームのポイント
日本の古民家と言えども、令和の時代になると、どうしても使いづらさや休みづらさを感じてしまうこともあり得ます。でも、リフォームを行うことで日本の古民家の特性を活かしながら、現代風のライフスタイルを楽しむことも可能です。この章では、実際にリフォームを行う際のポイントについて解説します。
建物の安全性確認
古民家のリフォームには、まず建物の安全性の確認が必要です。耐震性や耐久性をチェックし、必要であれば補強工事を行うことが大切です。また、建物の構造や状態を理解するためにも、専門家の意見を求めることをお勧めします。特に、建築基準法における耐震基準は、建築物が地震による揺れに耐えられるよう、その強度や構造について定めたものであり、住宅の建築年度によって耐震性能に大きな相違があります。なお、日本では1981年に大きな改訂が行われ、新築の建物に対してはより厳しい耐震基準が適用されるようになりました。これ以前に建てられた建物については、改修やリフォームの際に耐震補強を行うことが推奨されています。
現代風生活スタイルへの適応
伝統的な古民家の生活様式と現代の生活スタイルは異なるため、リフォーム時にはその適応が求められます。例えば、バスルームやキッチンの設備を最新のものに更新したり、エアコンやインターネットの設備を整えたりするなど、現代の生活に必要な設備を追加することが考えられます。特に「トイレ」に関しては、下水道の整備に伴って水洗トイレが主流となっていますが、下水道が未整備の場合には汲み取り式のトイレや、簡易水洗のトイレもありますので、必要であればリフォームを行う必要があります。
省エネ&エコロジー対策
古民家は自然素材を利用していますが、断熱性や省エネ性には改善の余地があります。リフォーム時には、断熱材を追加したり、エネルギー効率の良い設備を選んだりすることで、省エネ&エコロジー対策を推進できます。具体的には、断熱材を補強したり、窓ガラスを複層ガラスに変えたりすることで、冷暖房の効率を向上させ、エネルギー消費を抑えることができれば、電気代の節約にもつながり、環境にも財布にもやさしい住まいとなるでしょう。
地元住民との関係性構築
古民家のリフォームは、もともとその古民家がある地元住民との関係性にも影響を与えます。地元の風土や歴史を尊重し、地域社会との調和を図ることが大切です。いわば「よそ者」扱いされることで、せっかくいい古民家を手に入れてリフォームをしても、その地域で暮らしていくことが精神的に厳しくなってしまうこともありますから、古民家を購入する前にその地域のことを知ろうとする努力が欠かせません。例えば、地元の工務店や職人を積極的に巻き込むことで、地域経済にも貢献できるし、地元の人々との人的交流を図ることで、その後の生活を過ごしやすくなるなどのメリットも考慮すべきでしょう。
リフォーム時に必ず確認しておく事項
実際に、古民家をリフォームする際には、さまざまな確認事項があります。具体的には、次に挙げる事項について、特に確認しておくことをお勧めします。
下水道の有無
古民家は、しばしば下水道が整備されていない地域に存在することがあります。リフォーム時には、生活排水処理の方法について考慮が必要です。公共下水道が引かれていない場合、浄化槽の設置や保守管理が必要となる可能性があります。浄化槽の設置については、自治体によって補助制度を設けている場合もありますので、事前に確認しましょう。
建ぺい率の確認
建ぺい率は、敷地面積に対する建物の面積の割合を示し、各自治体の条例で定められています。リフォームで建物の規模を大きくする予定がある場合、建ぺい率を超えないように注意が必要です。また、敷地内に新たな建物を建てる場合も同様です。古民家の床面積が増加するようなリフォームをする際には、設計担当者と細かい打ち合わせが欠かせません。
自治体独自のリフォーム補助金制度
多くの自治体では、古民家の修復やリフォームを支援するための補助金制度を設けています。リフォーム計画を立てる際には、住んでいる自治体の補助金制度を調査し、活用できる可能性がないか確認すると良いでしょう。補助金の金額は自治体や補助内容により大きく異なります。一般的には、リフォーム費用の一部(例えば1/3や1/2など)が補助されることが多いです。また、補助金の上限額も設けられており、数十万円から数百万円までと幅広い設定額となっています。また、条件として申請者がその自治体に移住するなどの条件がある場合もあるので、事前に確認しましょう。
田舎の古民家を現代風にリフォームするには?そのポイントは?まとめ
田舎の古民家を現代風にリフォームする際には、まず建物の現状を把握しましょう。建物の構造や状態、老朽化の度合いなどを専門家と一緒にチェックします。特に耐震性の確認は重要で、必要であれば補強工事を行うことが求められます。なお、古民家の生活様式と現代の生活スタイルは異なるため、リフォーム時にはその適応が求められます。バスルームやキッチンの設備を最新のものに更新したり、エアコンやインターネットの設備を整えたりするなど、現代の生活に必要な設備を追加することが考えられます。古民家は、断熱性や省エネ性には改善の余地があります。リフォーム時には、断熱材を追加したり、エネルギー効率の良い設備を選んだりすることで、省エネ&エコロジー対策を推進できます。
なにより、リフォームにはそれなりの費用がかかります。事前に予算を計画し、可能な限りコストオーバーしないように注意が必要です。今回ご紹介したポイントを踏まえて、快適な生活環境と古民家の魅力を両立させるリフォームを目指しましょう。
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